《耳鳴り》
耳鳴りの原因は、ストレス、疲れ、睡眠不足や騒音、筋肉の痙攣、加齢などがありますが、突発性難聴、聴神経腫瘍、メニエール病、中耳炎などの疾患が関係している場合もあります。
東洋医学的には、耳鳴りは耳だけの問題ではなく体のさまざまな不調のサインです。
漢方では、『耳は腎に通ず』といい五臓の『腎』の異常が耳鳴りの根本的な原因となっていることが多く、過度なストレスによる『肝』の乱れによっても起こります。また、耳周囲の血の滞りである『瘀血』、頭部の水の巡りの滞りで『水毒』などが、原因と考えられます。
症例1.耳鳴り
70代女性、主訴:だんだんひどくなってきた耳鳴り
50代後半くらいから、時々耳鳴り(キーンというような音)があったのですが、年々気になる時間がのびて、今では意識するといつも聞こえているような気がします。病院で、血流改善剤とビタミン剤を出してもらったのですが半年たっても効果がありません。
困っている症状
・いつも耳鳴りがしている
・音が聞き取りにくい
・夜横になると気になる
・少し詰まっている感じがする
問診と気功(糸練功)で確認したところ、お困りの症状は加齢などによる腎の老化と、耳周囲の血の滞りである『瘀血』により起こっている症状だと考えられます。
症状を改善するために、
①腎を補う補助薬
②耳周囲の瘀血を改善する漢方薬をお出ししました。
飲み始めて3か月目くらいから、徐々に耳鳴りが気にならなくなってきています。完全に治っているわけではありませんが、気になる時間が減ってきています。夜寝るときは、まだ気になるので服用を継続中です。