《胃腸の不調(元気がでない)の改善》
東洋医学では、活動する力の源を「気(き)」と呼びます。元気・やる気・気力・根気など。行動を起こすときの表現には、よく「気」という言葉が使われます。この気は、「脾=胃腸」で食事から作り出すことができる、生命活動に欠かせないエネルギーです。「気」は主に眠っている夜の間に作られます。気が不足しているとなかなか起きられず、朝からだるかったり、何をするにもやる気が起きなかったり、すぐに疲れてしまったり。日常生活にも影響をもたらします。また、食べものを胃腸で消化して気(エネルギー)に変える際にも「気」が必要です。食後に倦怠感や眠気が現れる人は、「脾(ひ)」の働きが鈍っているかもしれません。「脾」は消化吸収した栄養をエネルギーに変える働きがありますが、「脾」の働きが弱いと、逆に「気」を消耗してしまうのです。そんな気や脾の働きは漢方薬でも補うことができます。どちらのタイプかによって使う漢方薬は変わってくるので、まずはそれを見極めるのが大切です。
症例1:食欲不振による倦怠感
70代女性、主訴:食欲不振・元気がでない
昔から食が細く貧血気味で、最近食欲不振が悪化して、元気がでないし、眠りも浅くなっているような気がします。食事を美味しく食べることができるようになりたいです。
困っている症状
・食欲がなく、量も十分に食べることができない
・何をするにも元気が出ない
・趣味の旅行も行く気になれない
・最近眠りも浅くなっている気がする
体質と生活習慣
・若いころから食が細く、今も痩せ気味
・肉類が苦手なので、野菜中心の和食が多い
・血圧が高く、病院の薬でコントロールしている
・朝起きても疲れが取れていない気がする
問診と気功(糸練功)で確認したところ、お困りの症状は脾虚(胃腸の虚弱)のため、気(元気)を作ることができなくなった症状と考えられます。
症状を改善するために、
①脾虚を改善するお薬
②気を補う補助薬と
③気を巡らせる補助薬をお出ししました。
服用をはじめてから、2週間ぐらいで徐々に食欲が出るようになり、食後のもたれは無くなってきています。今年の夏は、夏バテもせずに過ごせました。少し涼しくなったら旅行に行こうと計画中です。血圧の薬を飲んでいても時々血圧が高い数値になっていたのが、今は安定しています。
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