症例

赤ちゃんの夜泣き

《赤ちゃんの夜泣き》

赤ちゃんの夜泣きの原因は正確にはわかっていませんが、主な理由は以下の3つだと言われています。

1.環境や体の不快感

環境や体に不快感があると、それが夜泣きの原因となります。(暑い・寒い、お腹が空いた、おむつが汚れている、鼻が詰まっている、どこかが痛い、布団の肌触りがイヤなど)

2. 昼間の刺激の影響

赤ちゃんも、睡眠中にその日にあったことを脳内で情報整理し記憶します。はじめての場所や人・新しい経験などの刺激を受けたりすると情報を整理しきれず目が覚めて泣いてしまいます。

  1. 発達途中の睡眠リズム

赤ちゃんは生後4カ月ころから2〜3歳にかけて体内時計の機能がつくられ始めます。しかしまだ安定はしていません。 そのため朝だと思ったらまだ夜で驚いたり、眠りたいのに切り替えができなかったりして泣いてしまいます。

 

東洋医学では、赤ちゃんの夜泣きの原因として「脾、腎の冷え」が考えられています。夜は特にそれが現れやすい時間帯です。対策としては、沐浴やお昼寝の際に体を冷やしすぎないようにし、特にお腹を冷やさないようにしましょう。

また、夜泣きは「肝(かん)」の症状とも考えられており、漢方薬が使用されることもあります。肝の症状には、「落ち着きがない」「神経が過敏で、ちょっとしたことに興奮する」「すぐ怒ったり、泣いたりする」などがあり、それぞれの症状により、使う漢方薬が異なります。

 

症例1 夜泣きの改善 

9か月 女児

原因は思い当たらないのですが夜泣きが始まりました。母乳を飲ませても、おむつを替えても、ずっと抱っこをしていても泣き止みません。病院でもらった漢方薬は飲ませたのですが効果がありませんでした。

 

困っている症状

・毎日何時間も泣き続けているため、どこか悪いのかと心配

・両親も夜眠れない。

・マンションのお隣に迷惑をかけてないか心配。

 

問診と気功(糸練功)で確認したところ、お困りの症状は昼間の刺激と睡眠リズムが安定していないため「肝(かん)」の症状が出ていると考えられます。

 

症状を改善するために、

①子どもの自律神経を緩やかに安定させていく効果のある漢方薬をお出ししました。

また、一番身近にいるお母さんの存在は、子どもに大きな影響を与えます。お母さんが精神的に不安をお持ちだったので、

②お母さんにも気持ちを静める漢方薬を飲んでいただきました。
お子さんは一緒にいるお母さんの感情などに機敏に影響を受けるため、お母さんも一緒に治療することで母子ともに良くなるケースが多々あります。
これを「母子同服」といいます。

 

服用後、2~3日で、徐々に夜泣きは治まり、お母さんも安心して睡眠がとれるようになってきています。

時々夜泣きのある日もありますが、その時は漢方薬を服用すると症状が治まります。

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