女性特有のご相談例

[30代女性・めまい・動悸]

仕事が忙しくなり、ふわふわするめまいと動悸が起こるようになりました。神経内科へ行ったところ、めまいの薬を処方されました。服用後、あまり効果がなく、最近では動悸も時々起こります。このまま治らないのではないかと心配になりました。漢方薬で症状を抑えることはできますか?

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めまいには、大きく分けると、ぐるぐる回るように感じる“回転性めまい”と、ふわふわするタイプの“浮動性めまい”の2つがあります。いずれも吐き気や嘔吐を伴うことがあります。

回転性のめまいは、自分がぐるぐる回るように感じるめまいです。一定期間だけ続き、その後は完全に消えるのが一般的です。

浮動性のめまいは、ふわふわと浮いているように感じるめまいです。回転性めまいと同様、一定期間だけ続いた後完全に消える場合もありますが、いつの間にかめまいが生じてそれが何か月、何年も続く場合もあります。
長く続く浮動性めまいは高齢者によくみられます。

回転性めまいは耳の病気で起こることが多く、浮動性めまいは脳血管障害、低血圧や貧血などの全身症状、脳の病気、心因的なもの、薬剤の副作用などによって起こることが一般的とされています。
めまいの症状には、漢方薬にもいくつか著効のあるものがあります。
体質などを伺いながらお客様に一人一人に合った漢方薬をお出しします。

今回のご相談のふわふわタイプは、体の栄養となる気(エネルギー)と血(血液)の不足から起こっている可能性が高いので、漢方薬の服用と同時に、気と血を補う食べ物を摂ることをお勧めしています。

一番の養生は睡眠と休息です。ハードに働きすぎず、無理をしない生活を送ってください。
体を冷やさないことも大切です。

[50代女性・繰り返す膀胱炎]

若いころから疲れると膀胱炎にかかります。いつもなら病院で合成抗菌剤を出してもらうと2~3日で治るのですが、今回は2週間以上症状が続き、病院で確認してもらうと尿に菌はなくなりましたよと言われました。痛みはないのですが、残尿感がいつもありすぐにトイレに行きたくなります。漢方薬でこの症状を抑えることはできますか?

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膀胱炎は、尿をためて排出する膀胱に炎症が起こる病気です。
「急性膀胱炎」「慢性膀胱炎」「間質性膀胱炎」の3つのタイプがあり、膀胱炎の発症例のうち約9割は急性膀胱炎が占めています。

急性膀胱炎は女性に多く、膀胱に細菌が侵入することが原因で、頻尿、残尿感、膀胱の痛みなどの症状が起こります。
原因となる細菌の約8割が大腸菌です。
大腸菌は大腸に住み着いている常在菌で、便に含まれるほか、肛門の周囲にもいます。
女性は肛門から尿道までの距離が短く、尿道の長さも短いため、大腸菌が膀胱に侵入しやすいのです。

こういった特性から、急性膀胱炎は再発しやすいという特徴もあります。間質性膀胱炎では、膀胱の粘膜層が壊れ、その下の粘膜下層(間質)で炎症が起こります。

間質性膀胱炎は急性膀胱炎に症状が似ているものの、細菌が原因とはなりません。
そのため、抗生物質は効きません。
急性膀胱炎と間違われ、抗菌薬を処方されるも、なかなか症状がよくならないといったケースもあります。

3つの膀胱炎のタイプによって漢方薬を使い分ける必要があります。
血尿の有無でもお薬は変わります。
菌が検出されない場合は、漢方薬の服用が効果のあるケースが多いです。

特に間質性膀胱炎は著効のあるお薬がないため、漢方薬で対応される方が増えています。
体質などを伺いながらお客様一人一人に合った漢方薬をお出しします。

対症療法としては、どのタイプでも、精神ストレスの緩和、食事指導(酸性飲料・コーヒー・香辛料・アルコール・柑橘類などの摂取を避ける)、定時排尿(膀胱が充満する前に時間を決めて排尿する)、膀胱訓練(膀胱に尿をためる訓練)などが症状緩和に有効です。

[30代女性・月経トラブル:月経困難症]

中学校の頃から生理痛があり、鎮痛剤が手放せません。1日~2日がピークで、ひどい時は学校を休んでいました。今は仕事をしているので生理休暇をとることができるのですが、閉経までこの状態が続くのかと思うと憂鬱です。鎮痛剤も効かないことがあり、そんな時はおなかを温めながらじっと我慢しています。

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生理痛とは、生理の時に子宮が収縮したり、子宮の周りの腸の動きが活発になったりするために起きる下腹部の痛みや収縮のことです。
人によっては吐き気、頭痛、下痢や便秘などの症状が現れることもあり、生理に伴って起こるこれらの症状をまとめて月経困難症といいます。

痛みの程度には個人差があり、生理女性がある女性のうち生理痛がある方は80%、日常生活に差し支えるほどの痛みのある方は約30%、鎮痛剤を飲んでも寝込んでしまう方は約6%いると言われています。

生理痛には大きく分けて、特に病気などの原因がないのに起きる機能性生理痛と、子宮内膜症や子宮筋腫・子宮腺筋症などの病気が原因で起きる器質性生理痛の2つがあります。

機能性生理の原因は大きく3つあり、

1)子宮が未熟で子宮頚管が狭いため、子宮から押し流されてくる血液がスムースに流れない(妊娠や出産を経験していない10~20代前半に多い)

2)子宮内膜から分泌されるプロスタグランジンというホルモンが支給を収縮させ、血液を外に押し出す働きをしているが、体質的にこのホルモンの分泌が多いと子宮の収縮が強くなる

3)冷房や薄着などで体が冷えることによって血液循環が悪くなり、血液を押し出そうとしてプロスタグランジンの量が増えるため
に分かれます。

機能性、器質的によってお薬の選定は変わります。お話を伺いながらまずどちらのタイプかを見極めることが大切です。
痛みがあるときだけ、痛みを緩和する漢方薬を一時的に飲んでいただくことも可能です。
病院で診断を受けていて、お薬を飲まれている場合も教えて下さい。
どのタイプにしても冷えると悪化するため冷えに対する養生が必要です。(詳細は冷え性の養生参考)

[20代女性・冷え性]

手足がいつも冷えていて、夏でも靴下が手放せません。職場の冷房が効きすぎる日は、ひざ掛けだけでは我慢が出来ずミニカイロをストックしています。最近は手足だけでなく、おなかの冷えも感じるようになりました。進められてショウガ配合のサプリメントやドリンクを服用しているのですが、思うように改善しません。私の冷え性は漢方薬で改善するのでしょうか?

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冷え性は、大きく4つに分かれます。

下半身型:
主に、腰から下の下半身が冷える血行不良が原因のタイプ。加齢とともに、「冷えのぼせ」の症状を起こすこともあります。
四肢末端型:食事の量が少ない10~20代の女性に多いタイプ。運動不足などの生活習慣によって交感神経が過剰に働き、手先足先の血管が収縮して起こります。

内臓型:
主に交感神経の働きが弱いことが原因で起こるタイプで、手足は温かいのに、下腹部や二の腕に冷えを感じたりします。お腹を下したりする症状を伴うこともあります。

全身型:
ストレスや生活習慣の悪化によって、基礎代謝の低下が原因となって起こるタイプです。甲状腺の病気などの基礎疾患が」ないか確認が必要です。

東洋医学では、タイプによって血を補う、血を流す又は作る機能をアップするのかを考えて薬を選定します。
そして、お客様一人一人に合った漢方薬をお出しします。

冷えを予防・改善するためには、きちんと湯舟につかることが大切です。(38〜40℃くらいのぬるめの湯)
ゆっくりつかると自律神経のうち副交感神経が優位になり、手足などの抹消の血管が拡張し全身の血流改善効果が期待できます。

[50代女性・不眠・眠りが浅い]

最初のきっかけは分からないのですが、気が付くと睡眠導入剤を使わないと眠れなくなっていました。薬を飲み続けることが不安なので、1日置きに服用しています。薬を飲んだ日はぐっすり眠れるのですが、翌日体がだるい気がします。眠れないと色々考えてしまい余計に眠れないという具合です。漢方薬を服用したら、睡眠導入剤を使わずに眠れるようになるでしょうか?

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適切な睡眠時間については、色々な研究結果から、6~8時間が目安といわれています。
しかし、一人一人の体質や生活内容で大きく異なるため、自然に眠れて、日中眠くて困ることがない程度の時間を目安にするのがよいでしょう。

睡眠についてはストレスの有無も大きな関係をもっています。

例えば家族関係や仕事について強いストレスがあると、それが思考を支配し、常に交感神経が高ぶった状態になり睡眠障害を誘発するのです。
眠る時間の長さを気にしすぎると、かえってそのプレッシャーがストレスになり眠れなくなってしまう場合があります。
東洋医学的に考えると、入眠困難(寝つきが悪い)タイプか中途覚醒(夜中に目が覚める)タイプかでお薬が変わってきます。
また、交感神経が興奮して眠れないのか加齢などにより眠る力が弱っているのかによっても変わります。

入眠困難の場合は、お風呂に入るタイミングも影響してきます。寝る2〜3時間前、お湯の温度は38〜40℃、入浴時間は15〜20分程が最適です。

また、漢方薬を飲み始めていきなり睡眠導入剤をやめるのではなく、徐々に、減量しても眠れる状態を目指すことから始めましょうまずは、早起きをして朝の光を浴び、昼寝の習慣のある方は30分までにとどめることが第一歩です。

[40代女性・慢性頭痛]

中学生くらいから頭痛で悩んでいます。月に2~3回起こるので鎮痛剤が手放せません。ひどい時は吐き気を感じる時もあります。病院で検査を受けたのですが、特に異常は認められず、様子を見ましょうと鎮痛剤が処方されました。鎮痛剤がすぐに効くときと、効かない時があります。生理の時は必ず頭痛があり、生理痛はあまりないのですが、鎮痛剤を飲んでいます。長年続いている頭痛ですが、漢方薬で軽くなるのでしょうか?

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西洋医学では、緊張性頭痛と片頭痛とその他に分類します。
頭痛の80%は緊張性頭痛か片頭痛です。
我慢できない激痛の場合は血管系の病気が隠れていることがあるので、まずは病院で検査をお勧めします。

東洋医学では、その方がどのような体質で、何が原因で頭痛が起こるのかが問題です。
生理の時に悪化する頭痛はホルモンバランスを調整しながらお薬を服用することが必要です。
そのため、頭痛についてだけでなく、全身の状態を聞いてから、お客様一人一人に合ったお薬をお出ししています。

[30代女性・大人ニキビ]

20代後半に、突然頬にニキビが出だしたのですが、30代になっても治りません。頬と口周りを中心に赤いニキビができては消えを繰り返し、跡形が残っています。皮膚科で、ビタミン剤とステロイドと抗生物質のクリームを出してもらっていますが、一向に治りません。最近はお化粧をするのも苦痛です。マスクをしていると余計に悪化するのでコロナの流行っている時期は大変でした。漢方薬でニキビが出ないようにすることは可能でしょうか?

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大人ニキビとは思春期を過ぎてからできるニキビで、一般的には20代以降にできるニキビです。
大人ニキビは「吹き出物」とも呼ばれ、思春期の頃にできるニキビとは区別されます。
フェイスラインや口の周りにできやすく、治しても同じ場所に繰り返しやすい、ニキビができたあとは茶色く跡に残りやすい特徴があります。

皮脂の過剰分泌が原因となる思春期ニキビに対して、大人ニキビはストレスや食事・睡眠などの生活習慣やホルモンバランスの乱れ、スキンケアやメイクなどのライフスタイルが複雑に絡んでニキビが発生しています。
発生原因の特定が難しいため、治りにくく再発もしやすくなっています。

大人ニキビに対して、漢方薬のアプローチは有効です。
皮膚病は、直接患部を見せていただくことで漢方薬の選定の精度が上がります。ホルモンバランスが影響している場合は、バランスを取りながらニキビを改善していく漢方薬を選ぶ必要があるので、全身の状態を聞いてからお客様一人一人に合ったお薬をお出ししています。

使用している化粧品を教えてください。
ニキビの悪化要因になっていないかも確認させていただきます。

[20代女性・アレルギー性鼻炎]

10代の終わりに突然鼻炎になりました。最初は鼻水とくしゃみだけだったのですが、最近は副鼻腔のつまりを感じる日や目のかゆみを感じる日もあります。病院でアレルギー性鼻炎の薬はもらっているのですが、薬を飲むと、日によってはボーッとしたり、喉が渇いて声が出にくくなります。漢方薬はこのような副作用はないのでしょうか?また、一生飲み続けなければならないのでしょうか?

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アレルギー性鼻炎とは、透明のさらっとした鼻水、鼻づまり、発作的で連発するくしゃみの3つの症状を主とするアレルギー疾患です。

主な原因として、空気中に浮遊する花粉やハウスダストなどの原因物質「アレルゲン」を吸い込み、その成分が鼻の粘膜から体内に入ることによって起こるアレルギー反応です。

アレルギーに対しては、2つの治療法があり、くしゃみ、鼻水、鼻づまりといった症状をやわらげたりおさえたりする薬物療法(対症療法)と、アレルギーそのものを治療することで原因物質(アレルゲン)に対しての体質改善が期待できる療法(根本治療)です。

漢方薬ではこの2つを同時に行うことが可能です。
漢方薬は効き目がマイルドなものも多いですが、鼻炎に関してはある程度早い効果(症状を抑える効果)が期待できます。
但し、全身の状態を整えるには時間がかかる方もいらっしゃるので、お客様一人一人に合ったお薬をお出ししています。